映画『すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』
やさしさと再生の物語
2021年公開の映画第2作目『すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』は、第1作目『とびだす絵本とひみつのコ』から約2年後に公開されました。前作で描かれた“自分の居場所”というテーマからさらに一歩踏み込み、「夢」「自己受容」「変化」といった、大人にも深く刺さるテーマが丁寧に描かれた作品です。
本記事では、作品背景やストーリーの見どころ、監督・脚本家の手腕、登場キャラクターの成長などを私なりの観点で徹底解説していきます。


制作スタッフによる作品の世界観
監督:大森貴弘さん
『地獄少女』『夏目友人帳』などで知られる大森監督が描くのは「語らないことで伝える」映像美。セリフを発しないすみっコたちの感情を、繊細な表情や間で語ります。
脚本:吉田玲子さん
『けいおん!』『聲の形』などを手がける吉田さんは、心の奥にある「夢」と「変わりたいけど変われない気持ち」を静かにすくい上げ、脚本に落とし込んでいます。
ナレーション:井ノ原快彦さん & 本上まなみさん
前作に続きナレーションを務めるお二人の声が、静かであたたかい物語をやさしく導いてくれます。
主題歌:BUMP OF CHICKEN「Small world」
「君を見つけて、君に見つけてもらった僕は 僕でよかった」――映画のテーマとシンクロしたこの一曲は、ラストシーンに深い余韻をもたらします。
🌙 あらすじと魔法の夜





秋のある日、すみっコたちはキャンプに出かけます。夜空には5年に一度の青い大満月。そこに現れたのは“まほうのコ”たち――5人きょうだいの魔法使いたちです。楽しい魔法の夜が過ぎようとしたとき、ひょんなことから末っ子のふぁいぶが、たぴおかと入れ替わって地上に取り残されてしまいます。






🔮 ふぁいぶが消してしまった「すみっこたちらしさ」
ふぁいぶは、魔法を使うことがまだ上手くできず、兄たちのようにはなれないという劣等感を抱えていました。すみっコたちが夢を語る姿に触れ、「夢があると苦しくなる」「叶わない夢に傷つくなら、いっそ夢なんて消した方がいい」と思い、“しょうしつのまほう”をかけてしまうのです。




この魔法で、すみっコたちはそれぞれの「らしさ」を失ってしまいます:
-
ねこ:スリムになりたい夢が消え、体型を気にせず暴飲暴食に。
-
ぺんぎん?:自分探しの夢が消え、自信過剰で少し傲慢に。
-
とんかつ:食べてもらいたいという夢が消え、三角コーナーを頭に乗せてどうせ生ごみだもんと悲観的に。
-
しろくま:あたたかい場所への夢が消え、暑がりになり常にうちわであおぐように。
ふぁいぶは、「叶わない夢に傷つかないように」という優しさから魔法をかけたのですが、それが“夢を持つ意味”そのものを奪ってしまいました。
夢は「叶えるため」だけにあるものではありません。 夢を持つことは、自分らしさを育む力であり、生きる原動力でもある。
この気づきが、ふぁいぶとすみっコたちにとって大きな転機になります。




🤝 みにっコたちの奮闘と絆
“すみっコらしさ”を失ってしまったすみっコたちを救ったのが、小さな仲間たち「みにっコ」たちの存在です。ざっそう、ふろしき、たぴおか、えびふらいのしっぽたちが奮闘し、記憶を呼び戻す手助けをします。
「小さくても、誰かを想う気持ちは大きな力になる」
それが、この作品を貫くメッセージのひとつです。
🎞️ 前作『とびだす絵本とひみつのコ』との比較
■ 舞台の違い
-
前作:絵本の中の世界(非現実)
-
今作:5年に一度の「青い月夜」という現実の延長にある非日常
■ テーマの違い
-
前作:居場所の探求と受容
-
今作:夢の意味と、変わらなくてもよいという自己受容
■ キャラクターの関わり方
-
前作:絵本のキャラになりきって冒険
-
今作:すみっコたち自身が主体となり、自分の夢や気持ちと向き合う
🌌 観たあとに心があたたかくなる映画
『青い月夜のまほうのコ』は、声を出さないキャラクターたちが、心の奥にあるメッセージを私たちに伝えてくれる作品です。
-
「夢ってなんだろう?」
-
「今のままの自分でいいのかな?」
-
「誰かのそばにいられるって、それだけで魔法かもしれない」
日常のなかにある、ちいさなやさしさ。それが、実は一番すごい魔法かもしれません。
📚 関連アイテム
-
小説版:角川つばさ文庫『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』 740円(税抜)
-
ストーリーブック:主婦と生活社 900円(税抜)
-
絵本:講談社 1,100円(税抜)
-
🎬 配信情報
U-NEXT、Amazon Prime Video、FODなどの配信サービスで視聴可能。 (※サービスによって有料・無料の条件が異なるため、各サービスで詳細をご確認ください)
『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』は、「あなたのままで、大丈夫」という優しさを、ふぁいぶとすみっコたちが教えてくれる映画です。
次に夢を語るとき、誰かに寄り添いたいとき、静かに観返したくなる一本です。


今回のポスターはほんとにキレイな色合いのビジュアルだったのでパズルを購入して作りました!サンエックスさんで購入したすみっコぐらしの収納グッズ(すみっこマンション)に今回の登場すみっこたちをまとめて飾ってます。
今作の映画の主題歌を歌ったBUMP OF CHICKENさんとのコラボ商品が映画上映開始後しばらくたってから指定のオンラインショップで購入することができたことも嬉しかったことのひとつ!
最後に
ちょっと今回の配信は反省点も多かったなぁーと思ったところもあって、次回に活かしていきたいと思います
今日も、自分らしく、すみっコたちのように――
少しずつ、少しずつ、歩いていけますように🍀
📢次回予告&エンディングメッセージ
次回は4月17日(木)21時~
次回の配信では、すみっコぐらし映画 第3弾「映映画すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ」についてお話します!
さらに、最新のすみっコぐらしグッズ情報などお届け予定ですので、お楽しみに!