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『コーダ あいのうた』感想記事

夢と家族のはざまで──
『コーダ あいのうた』を観て感じたこと

先日、ずっと気になっていた映画『コーダ あいのうた』を観ました。

2021年制作 映画
2014年のフランス語映画「エール」の英語リメイク作品

観終わったあと、胸の奥がじんわりと温かくなって、しばらく言葉が出ませんでした。
泣いたというより、心が震えた……そんな感覚でした。

 

■CODAって、どんな意味?

映画のタイトルになっている「CODA」という言葉、はじめて聞いた方もいるかもしれません。

これは Children of Deaf Adults の略で、耳の聞こえない親をもつ「聞こえる子どもたち」のことを指します。
主人公のルビーも、そんな“CODA”の一人です。

彼女は、家族の中で唯一「聞こえる」存在として、通訳の役割を自然と担って生きてきました。
そして、その優しさがあるからこそ──自分の夢を叶えたい気持ちとの間で、大きく揺れ動いていくんです。

■“聞こえる”こと、“伝わる”こと

ルビーの家族は、耳が聞こえないけれど、あたたかいユーモアと深い愛情でつながっている素敵な家族です。

でも、「音楽が好き」という、彼女だけの感性は、家族にはどうしても伝わりきらない。この「伝わる/伝わらない」の距離が、とてももどかしく、そして切なく描かれていました。

音楽という“音の世界”へのあこがれと、“音のない家族との絆”。
この映画は、そのどちらも否定せず、大切に描いてくれています。

■印象に残った、無音のシーン

中でも一番心に残っているのは、食卓での“無音”のシーン。
家族の視点で世界を見ることで、逆に私たち観客は「音のありがたさ」に気づかされます。

音がないのに、伝わってくる愛情。
言葉がなくても、ちゃんと心は届いている──
そんな瞬間に、涙がこぼれました。

■夢を追うことは、わがまま?

ルビーが音楽の道へ進みたいと願うとき、「それって家族を裏切ることになるの?」と自問自答する姿に、胸が締めつけられました。

「家族の絆を守るために、自分の夢をあきらめるべきなのか?」
「夢を選ぶことは、自己中心的なことなのか?」

この問いは、きっと誰もがどこかで抱えたことがあるのではないでしょうか。

■私自身と重ねて

観ているうちに、いつの間にかルビーの姿に自分を重ねていました。

家族や周囲との関係の中で「自分はどうしたいのか」を後回しにしてきたこと。
大きな夢じゃなくても、ちょっとした「好き」や「やってみたい」を胸にしまっていたこと。

私自身、在宅で仕事をしたい。そんな一つの想いで試行錯誤しながら進めていることがあります。でも、自分の「好き」を実は置いてけぼりにしたことが約3年間あったために心の中でやる気と結果が反比例するような矛盾が発生していったんですよね。

ああ、私も、もう少し自分に素直になってみようかなって思えました。

■この映画を観て、心がやさしくなった

『コーダ あいのうた』は、「家族の愛」と「ひとりの人間としての願い」、そのどちらも肯定してくれる、やさしい映画でした。

何かを選ぶとき、誰かを置いていくような気持ちになることがあるけれど──
この映画は、「きっと大丈夫」とそっと背中を押してくれますね。

 


💭あなたは、家族や周りの期待の中で、「本当の自分の声」を聴いていますか?

ときには静かな映画が、心の奥にしまっていた本音をそっと照らしてくれることもあるのかもしれません。

 

今日もお疲れ様です
STAY SAFE.
明日も皆さんが笑顔で過ごせますように!