私は長い間、人に頼ることが苦手でした。
「迷惑をかけたくない」「自分でやらなきゃ」という思い込みが強く、
どんなに大変でも一人で抱え込んでしまうのが癖になっていました。
その癖がついた出来事は振り返ると、学生時代でも同じで、就職してからでも同じ、最近で言えば結婚してからでも最初はそうでした。
でもある日、どうしても手に負えない状況に直面し、仕事の締切が迫る中で、体調を崩してしまったんです。
「これは無理だ」と思ったとき、頭の中をよぎったのは
「また同じことをするの?」
という自分に対する問いかけでした。
学生時代でも、就職した職場でも勇気を出して仲間に助けを求めることが出来なかったために、倒れてしまった日のことを思い出しました。
「助けて」
小さく私の口から出てきた言葉は、仲間に助けを求める言葉でした。

震える体と、震える手を必死に抑えながら、仲間の顔を見ていたんですよね。すると同僚は嫌な顔ひとつせず、「任せて、大丈夫だよ」と言ってくれたのです。
その瞬間、肩の力が抜け、涙が一気に溢れてきたんです。
「人に頼っていいんだ」
その経験は、私の中の大きな転換点になりました。私が人生で初めて自分から助けを求めることが出来た瞬間だったと思います。


頼ることは弱さではなく、信頼の形。
相手を信じ、同時に自分を信じる行為なんだと気づきました。
それからは少しずつ、「助けて」と言える自分になれています。